2017年3月12日日曜日

ヨーグルト

白くてすっぱいまっさらな食べ物。そんな印象の若い人みたいな食べ物はきっとお腹の中をきれいにすっきりさせるのだろうなぁ。
すっきりとしたお腹は、またまた何かを食べながらきっとお腹の中にあるなんだかモヤモヤする気持ちやなんだか気持ちのわるいこころもちをふきとるために、この味を求めるのかもしれないなぁ。そんなことを思う今日は楽しい気持ちで過ごしています。

わたしの好物はグリーンカレーですが、このカレーにはさっぱりとした要素はありません。そのグリーンカレーはたまに食べるとたまらない旨味を残します。これはいつも気持ちにその味を置いて行くのですがその旨味はたまにこころを支配して、見えなくすることがあります。

そんな時は、誰にも言わず、静かに、どこでもない場所に行こうと思います。

それは部屋であったり、歩道の端っこにあります。そこに行くと、今、どんな風な感情に流されているのかとかこれがいいなぁって思っていることがわかります。

そんな場所へ行く道のりでふと、思います。

醗酵食品だなぁ、この人生も。

そんなことを思いながらまたヨーグルトを買っています。

山尾 彩子

2017年2月19日日曜日

飴ちゃん

くるまれている姿は、まるで赤ん坊のようだ。大事にひとつずつ包まれて、見つけるとつい見てしまう。
色んな味の小さな飴ちゃん。

色んな場所で、その子は登場する。
電車の中、教室、事務所の中、そっと手渡される秘密の合い言葉。

「ありがとう。」

扉が開いた瞬間。
小さな鍵は溶けてなくなるけれど、開いた扉はそこにある。
閉じたり、開いたり、ノックしたり、そっと側に立ってみたり。街中の扉が息をしている。
今も、開いたり閉じたりしている。
焼きそばを焼いたら、ソースの香りがドアから出ていく。
カレーの匂いは空気を染める。
おいしい匂い、知らない匂い、落ち着く匂い。それらはみんな、私達の中にある。

ドア。ここにあるドアはどこへの入り口だろう。

2017年1月29日日曜日

カフェオレ

ミルク増しのカフェオレが好きです。少し白くてほのかに茶色の様子はまるでおだんごのようです。

おだんごは食べる方ではなくて、土をこねてつくる泥だんご。いびつで、丸いけれどちょっと曲がっていたりする、あの泥だんご。

小学生の頃よく丸めて秘密の場所に隠しては次の日も続きを丸めて段々大きくしていました。その泥だんごに似ているのは色だけではなく、その丸い安心感。大きくなる気持ち。

そして何より好きなものを見つめる気持ちです。誰に言われたわけでもなく、自分がその丸みに触れたいから、誰に教えられたわけでもなくそれが私には必要だったから、毎日の少しの時間にその思いは大きく膨らみました。

そんな気持ちは今もあり、どうしても忘れられない思いはマグカップに入って今も机の上に置いてあります。

きっとそういう些細な思い出や記憶がわたしの今のマグカップに入っています。

山尾 彩子

2017年1月15日日曜日

レモンケーキ

これは今でも思い出にならない名前の話。

いつも思い出す名前は、もう生きていない人の名前です。
いつも一人心の中で呼んで声を思い出します。そしてその度に励まされます。でも、もう会えません。死んでしまったからです。でも、近くで見ていたいと思います。わたしもあの目でこれからを見たいと思います。
それがあの人が生きていたことをつなぐような気がして、気がしたのでこのままいこうと思いました。それはケーキのように甘いこと。スペシャルに甘くてなくなると終わりがきた事に急に淋しくなったりしてもうびっくりするんです。

そんな人に出会っていた今日までの私なのでこんなになんでもない日曜日の夜にスペシャルにこれまでの今日にお祝いをしたくなって食べた気持ちのケーキ。

レモンケーキの味は、きっとこの世で最も淋しくて甘くてここだけにしかない味です。
そんなケーキに巡り会うためにわたしはここまで生きて来たのかもしれません。

でも、まだこれ以上のケーキを食べた事がないんだよなぁ。
これ以上のケーキは必ずあるんです。でもまだ、なんですよね。

山尾 彩子

2017年1月8日日曜日

ジャムパン

パンも好きで、今日はコッペパンを食べました。
甘いジャムパン、クリームパン、カレーパン、食パン…。

色んな味や形は違えどパンなわけは、きっと同じ材料、ベースが一緒だからなんだろうなぁ。

そんなことを思っていたら、今日会った友達の姿はまさにパン仲間。
ベースに同じ思い出をのせて同じ時間をほんの少し持って、オリジナルの顔で話したりする。

とても大切でお互い知らない場所の違う時間で過ごしているのに、会うとなぜか空気がつながっているなぁと思うのは、きっとお互いが時間の中にいて今も見ているからだと思う。

見ている風景やオレンジ色のこの空はきっと自分にしかないけれど、その見ている姿が同じなんだと思う。自分の目で自分に感じるこの思い、それはまさにコッペパンでもなく食パンでもなく、オレンジ色のスーパージャム。

これはパンの中にかくれて見えないけれど大事な核、それはオリジナルの名前で味わいできっとたまに無性に食べたくなるんだと思う。

そんな事考えたら、もっとパンのこと好きになった今日です。

この二枚の写真、こういう存在もわたしのジャムに味を加えてくれている気がします。
ありがとう。

山尾 彩子